フィンセント・ファン・ゴッホ鑑賞まとめという名のミュージカルさよならソルシエ再再演祈願
ミュージカルさよならソルシエ は、いいぞ。
ということで、念願のゴッホ鑑賞めぐりをしてきました。
昨年の同じ時期には新撰組の跡地めぐりを京都でしていたので、私はハマると史実にも触れたくなる性格してるんだなって20数年生きて初めて知りました。
これをさよならソルシエ関連の推し事だと捉えているので芸術鑑賞も若俳おたくグループとして投稿してしまうことを許してほしい。
訪問した美術館
・損保ジャパン日本興亜美術館/新宿
・国立西洋美術館/上野
・東京都美術館/上野
大まかにゴッホの人生(史実)を説明すると、
オランダで産まれる→何もかもうまくいかない→弟の援助を受けながら30歳手前で画家へ転身→弟を訪ねてパリへ→沢山の芸術を吸収し南フランスへ→ゴーギャンと喧嘩の末、自分の左耳を切り落とす→精神病院→その間も絵は描き続ける→パリの北に位置するオーヴェルニュへ→心の病は回復へ向かうが37歳で自殺(→弟のテオも後を追うように亡くなる)
その人生と描いた絵は次第に評価され、生前日本が大好きだったこともあり、日本人には人気の画家。生前売れた絵は一枚のみ。
まずはひろしま美術館
このためだけに新幹線を取りました。
なんてったってひろしま美術館には、
『ドービニーの庭』
が常設であるのです!行くしか〜〜!
近くでBABYMETALのライブがあったみたいで、メタルTシャツを着たお客さんが沢山居た。広島という街にメタルTシャツは複雑な気持ちになると同時に平和だなあ〜なんて思った。
緑に囲まれた敷地内に足を踏み入れると観光客で賑わう繁華街とはガラッと変わって静けさが広がり、葉が揺れる音が「近くに美術館ありますよー!」と教えてくれる。
ガラス戸を押し開けてカウンターでチケットを買う、
常設展のみのチケットは無かったので企画展もついでに見ていく。
庭を進むと常設の建物
土曜日だったけれどお客さんはそんなに多くなくて、ストレス無く進む。
まずぐるっと回って、この美術館の有名絵画の所持数に驚いた。
撮影可の部屋があり、マネが置いてあったのですかさずパシャリ(パシャリって死語…?)
この黒がすき。
一周したら建物を出て企画展の建物へ。
『ヴラマンク展』が開催中でした。
モーリス・ド・ヴラマンク 19世紀末〜20世紀のフランスの画家。文筆家。
常設よりは少し人が多かったけれど団体は居ないし皆さん静かだし本当に絵画を楽しむ人しか居ない雰囲気。意外と同じ歳くらいの男女が一人で来ていることも多く、本当に観やすかった。
塀の上に積もる雪や黒い土の上に積もる雪がすごく良いなーと思いました(小並感)
全て見終わったら再度常設の建物へ〜
さよならソルシエの序盤にフィンが歌う『ドービニーの黒猫』
ここで出て来る『ドービニーの庭』の絵
その絵の前には椅子が置かれていて、ぼーっと鑑賞するのにもってこいでした。
今回ゴッホの絵を生で見て一番意外だったのはこの絵。
まず思ってたより大きかった。
ゴッホと言えば絵の具をベタベタ厚塗りして隙間なんて無いと思っていたけれど、
この絵は所々キャンバスが見えていた。
ゴッホの制作スピードがかなり早い事から、この絵も一瞬で仕上げたのか、
もしくはこの絵を描いたのは自殺から1週間前なので、息も絶え絶えに描いたのか。
そうも思えた。
でも引いて見てみるととても穏やかな絵で、とても精神を病んでいたとは思えなかった。
色調も空気も穏やかで優しくて、「完全に回復した」と書いたゴッホの手紙に嘘はなかったのかなと思う。
ただ映画でもあったように人の気持ちなんて次の瞬間変わるもので、特に精神障害を患うフィンセントにとってそれは紙一重だったのかもしれない。
荒々しく絵の具を乗せているのにこんなにも優しい光を描けるフィンセントは天才の域に達して、その頂点で命を絶ったのかもなあ。
30分くらい絵の前に座ったり立ったりして眺めて、さよならソルシエのこと考えたりして、優しい絵の中にテオ(塗りつぶされた黒猫)がいることをまた切なく想ったりして、最後ミュージアムショップ寄って帰りました。
この美術館には黒猫モチーフのグッズがあって可愛かった。
ドービニーの庭で塗りつぶされた(飛び出した)黒猫という設定らしい(笑)かわいい(笑)
左耳グッズはありませんでした。
おみやげ
クッキーボックスの中身がまさかのカントリーマアム〜大人のココア味〜
ほんとに、パンフレットはモネだけど有名西洋画家の絵がたっくさんあって見応えがあるし客層も良いし駅から近いし静かだしすごく良い美術館でした。
続いて〜もう読んでくれる人居なさそうだなあまあ自分用だしいっか!
東京!
とうみゅのおたくなので♡フェスの武道館公演へ遠征のついでに美術館めぐりしました。
初日が金曜2日目東京楽が土曜という遠征会社員おたくに優しいスケジュール…
日曜日にはキャストさん達一斉にイベントやってましたね。おつかれさまです!
私はというとフォロワーと共にまずは新宿へ〜
東京在住のフォロワーのお陰で電車に迷わず行けました。ありがたやありがたや…
いつもいつも付き合ってくれて有難うございます(去年の京都も一緒だった)
不安だった新宿駅からの道もなんとかスムーズに
損保ジャパン日本興亜美術館へ
42階ですよ…?田舎者のド庶民の私、初めてビルの42階とか登ったかも…
エレベーターのあまりの速さにビビりました。
案内してくれるお兄さんもいるし、トカイスゴイ!
そして42階〜
すごーーーい!!
2人でスカイツリーだ!!!って言いました。
チケットを買って入ると一番最初に出迎えてくれるひまわりです。早速。
これは写真OKの複製。
この美術館にはゴッホのひまわりのうちの1点が所蔵。ひまわりって沢山あるんですが、私はこの黄色いひまわりが一番綺麗で好きです。
ここも常設だけのチケットは無いので企画展もスラーっと観ました。ほんとにスラーっと。
『デンマーク・デザイン展』
オシャレでした!(小並感)
お客さんも多くはなく、ここもとてもストレス無く観れた。
奥に進むと最後の部屋が常設展示。
大きなガラスの向こうにひまわりはありました。
ここもわりとじっくり観ることができた。
ドービニーの庭のイメージがあったので、意外とキャンバス地が見えたりするかなーと思ったけれど、絵は塗りつぶされていた。
ゴッホが理想の光と生活を求めて移住したアルル、そこでお互いを認め高め合うゴーギャンと過ごした、恐らくフィンセントが一番幸せを実感していたであろう時期。
ゴッホ呼びとフィンセント呼び安定しなくてすみません。
かなり落ち着いて描いたように見えたし、芸術を高めようとしている、挑戦的で自分の絵を確立しとうとしている絵にも見えた。
ゴッホの勉強熱心なところも伺える。
この頃ゴッホはテオへどういう手紙を書いたんだろうか。
ソルシエのフィンなら喜びを書いただろうか。
小さなミュージアムショップではポストカードだけ購入。
駅に戻り電車に乗る。
田舎者は山手線にテンションがあがる。この薄緑、知ってる。
上野駅へ
上野ってすごい!
調べた時に同じ所に美術館あるじゃん!何で!?わ!博物館もある!すごい!
って思ったんですけど、動物園もあった!すごかったー!笑
ここはとにかく人が多くて、みんな何しに来てるんだろ〜。
少し歩くとさっそく、国立西洋美術館を発見
西洋画家達に大きな影響を与えた浮世絵。その中でも一番名前が知られていたのが葛飾北斎。
浮世絵と絵画が並んで展示されていて、とっても面白かった!
展示室のデザインもデザイナーさんが作られたみたいで、可愛かったです。
ただやっぱりここは人が多かったよー…笑
美術館の辛い所、企画展の人の多さ…
チケットを買うのに少しだけ並んで中に入ると人が詰まっていて進めない状況…
もちろん作品を目の前で観ることも不可能♡
壁伝いに並べば観れますけど、わたしはいつも諦めます。
大体少し進めば開けるし最初からそんなガン見してたら後半バテるだけなので。
人がいないところだけスッと観て後は少し遠くから流し見…モネが多かったな
ただゴッホだけはちゃんと観ました!笑
この美術館所蔵の『ばら』
耳切事件後の精神病院で描いた一枚です。
北斎との関係は、まずありのままの植物を描いていること。それまで西洋美術においてただそこに咲いている植物を描くということは無い感覚だったみたいです。
北斎は多くの植物や動物や人のスケッチを残し、それ自体がヨーロッパの画家達には刺激的だったよう。
絵自体はというと、全体的に置かれて境界線も曖昧な緑の庭に、白いばらの花が力強く描かれていました。
癒しを求めたのか、北斎の画を真似たのか、ただ筆を取ったのか、それでもばらだけは力強く絵の具が乗せられていて、絵を描くことを辞めなかったゴッホの姿を見せられているようだった。
人混みを避け、空いた展示を見ているとたまたまゴッホのスケッチだったりした。
ラッキー!
確か歌川広重か北斎漫画かの雨の絵と、ゴッホがミレーの種まく人を模写したスケッチに雨が降っているもので、その雨の描き方が似ているとかそういうのだったと思う。
全体的に、悪い言い方をすればトレパクを無理やり指摘する企画展だった。
恒例のポストカードみやげ
企画展自体がとっても面白かったし浮世絵も観れたし部屋は可愛いしすごく楽しかった!
ただ人が多い!こればっかりはもう…
ミュージアムショップは北斎漫画の複製?が売られててとっても可愛かったんですけどものすごく高かったんですよね…笑
買いたかったけど…さすがに手が出なかった…
あとこの美術館は外にロダンの地獄の門なんかの彫刻があって、浅識な私は本物がこんな所にあるわけあるかいとスルーしていたんですけれど、あれ公式な地獄の門だったんですね……………もっとちゃんと観ておけば良かった……………彫刻も地味に好きなので、今度行くことがあればしっかり観ておきたい。
銀杏が独特の香りのイチョウ並木を横に進むと次の目的地、
ここでは『ゴッホ展〜巡りゆく日本の夢〜』が開催されています。
この美術館絶対福岡市美術館の建築家と同じ人が建ててる!!絶対!調べてないけど!ほぼ一緒だもん!
ここはまずチケットから並んだ…もう時間もないのでじっくり鑑賞するのは諦めていたんですが、ゴッホ展なのに実はここが一番記憶が…無い…ので会場案内のチラシを見ながら書きます…
人が多くていやだ
むしろゴッホが多かったからインパクトが薄れているのかもしれない。
晩年の作品ばかりだったように思う。
私はオランダ時代の絵も好きなのでオランダ時代の作品も観たかった。(あったかもしれない…)(浮世絵に出会ってからの展覧会なんだからそりゃあ無いよな…)
大きく5つに分かれていて、
1.パリ 浮世絵との出会い
北斎とジャポニズム展のように、浮世絵に影響されたゴッホの作品と浮世絵が並ぶ
2.アルル 日本の夢
ゴッホはアルルを日本の様だとテオへの手紙に書いた。それは優しく広がる光だったと思う。
私の好きな『花咲くアーモンドの木』もあった。軽い筆で描かれていた。
3.深まるジャポニスム
ここには有名な『寝室』や『アルルの女』が並ぶ
浮世絵の様に平面的だ、ということ…かな?(よくわかってない)
5.日本人のファン・ゴッホ巡礼
ここには日本人が描いたオーヴェルニュの風景や日本人が?フィンに宛てた?手紙?とか?とにかく手紙っぽいものが…ありました…人が多くて…ちゃんと見れてません…
4.自然の中へ 遠ざかる日本の夢
何がどう遠ざかったのかは分からないけれど(説明看板を読まなかったので)
ここにあった『下草とキヅタのある木の幹』にはドキッとした。
キヅタと言えばフィンとテオの並ぶお墓に生えているツタ…花言葉は『死んでも、離れない』
という流れで人を避けながら出口へ。
でもミュージアムショップはやっぱりここが一番充実してました。
iPhoneケースとかゼリーとかスカーフとか付箋とかモバイルバッテリーとか。全部ゴッホ。左耳は無かった。
わたしは好きな絵のポストカード数枚と、かわいい額縁と、会社にお土産用のチョコレート、ヴァン・ゴッホの名前が書かれたロクシタンのクリーム、それに、今回のお土産の中で一番満足度の高いゴッホ美術館のひまわりの種!笑 買いました。
ポストカードはあったけれど『夜のカフェテラス』も『黄色い家』も『星月夜』も『糸杉と星の見える道』も展示はされてませんでした。
時間もなくて人も多かったからじっくりは見れなかったけれど、物販に満足したから良いかな。
今回、ゴッホの筆の乗せ方は一定では無いということ、精神状態に左右されていそうなところ、空気感を描く天才だということを感じ取れたと思う。空気の描き方は意外だった。さすが印象派と言ったところか。
でも、だからこそ人々に愛されるのかな。
夏になったらひまわりを育てたい。ゴッホ美術館公認の種、どんな花を咲かせるかなあ。
ここまで行動を起こさせてくれたのは紛れもなくミュージカルさよならソルシエのお陰で、また一つ人生が豊かになった気がする。
ありがとうミュージカルさよならソルシエ。
再演の円盤化と、再再演、もしくはコンサート開催、せめて衣装展…!笑
これから先平野さんのフィン、良知さんのテオ、そしてソルシエを彩ってくれるキャストの方々にもお会いできる日が来るといいなあ。
そしたら文字通り飛んで行くので。
よろしくお願いします!マーベラスさん!!